鐘楼とは鐘を吊り下げて撞き鳴らすための建物です。
「しょうろう」とも読み、俗に釣鐘(つりがね)堂といいます。
建物が楼(たかどの)としてつくられたのは、鐘を高い位置に吊るしたほうが遠くまで響くからであったからだと言われています。
潮音寺の鐘には
『鎮国文(ちんこくもん)』と呼ばれる無量寿経の中の一節が刻まれており
その願いがあらゆる命に届くようにという気持ちが込められています。
高田本山のHPには、その意味が紹介されています。
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親鸞聖人が真実の教えと仰がれた『仏説無量寿経(ぶっせつむりょうじゅきょう)』の一節に
『 佛所遊履(ぶっしょゆうり) 国邑丘聚(こくおうくじゅ) 靡不蒙化(みふむけ)
天下和順(てんげわじゅん) 日月清明(にちがつしょうみょう) 風雨以時(ふうういじ)
災厲不起(さいれいふき) 国豊民安(こくぶみんなん) 兵戈無用(ひょうかむゆう)
崇徳興仁(しゅとくこうにん) 務修礼譲(むしゅらいじょう) 』
と、説かれています。この文を分かりやすく換言しますと、
「仏が行かれるところは国も町も村も、その教えにさからうようなことはない。そのため世の中は平和に治(おさ)まり、太陽も月も明るく輝(かがや)き、風もほどよく吹き、雨もよい時に降り、災害や疫病などもおこらず、国は豊かになり、民衆は安穏(あんのん)にくらし、軍隊や武器をもって争うこともなくなる。人々は徳をもって思いやりの心で、あつく礼儀を重んじお互いにゆずり合うのである。」とおおせられました。
このような尊い教えをいただきながら、悲惨な戦争が繰り返されているのは、全く悲しいことです。私たちの家庭や日常生活を反省してみますと、親鸞聖人の”世の中安穏なれ 仏法ひろまれ”と申されるおことばがお念仏とともに力強く私たちの心に響いてまいります。
高田本山 ひとくち法話No97 ―諸法会5― より
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潮音寺の鐘は、戦時中に供出によって失われておりましたが、戦後に一件の檀家さんの寄進により鋳造され、今も
“世の中安穏なれ 仏法ひろまれ”と、南无阿弥陀仏の六回の音の響きをとどろかせています。
是非、ご自分の目で一度ご覧になっていただければ幸いです。